いわゆるバブル崩壊後の地価の長期下落傾向を背景に、日本における不動産事情は大きく変化し、不動産の取引における人々の価値観は資産価値重視から収益性を重視するものへと移行している。この不動産価格概念の変化は、不動産鑑定評価に対するニーズや鑑定評価手法の変化となって現れている。代表的な手法であるDCF法によれば、土地建物一体の複合不動産が生み出す収益を想定し、適切な投資価格を評価している。この様に、不動産の鑑定評価も時代の変化とともに変わっていくものなのである。
 また、最近においては、平成17年4月1以降の事業年度から適用される減損会計基準に関係して、不動産鑑定の必要性も取り上げられている。従来、わが国においては、固定資産の減損に関する処理基準が明確でなく、帳簿価格が価値を過大に表示したまま将来に損失を繰り延べているのではとの疑念がもたれていた。投資家に適切な情報を提供するという意味においても、減損会計の導入は必要なことであり、同時にそれに伴う、不動産鑑定評価の必要性も増加している。
 
  土地の価格は全国的にみると、引き続き下落しているが、東京都区部を中心に下げ止まり傾向が強まると同時に、一部では、反転の動きも見え始めている。特に、都心部や、都心通勤圏内の居住環境の良好な住宅地や、利便性の高い商業地において、その傾向が強い。金融市場における通貨の流動性は高まっており、投資採算性の良い物件には需要が増大している。半面、過疎の進む地域での地価の下落は止まることはなく、その意味で、土地価格の2極化傾向がはっきりと出てきている。今後は、物件の厳しい選別化が進むであろう。
 
  不動産の有効活用に関する、適切なコンサルティングを行う為には、@不動産の的確で精密な調査が必要である。A有効活用には、所有不動産に建築を行うこと、売却すること、定期借地に代表される土地を賃貸すること等を含むので、事業手法の適切な決定が要求される。
有効利用のケースしては、マンション建設、オフィスビル建設、郊外のショッピングセンター建設、倉庫、配送センター建設、ゴルフ練習場、立体駐車場等があり、綿密なマーケティングが必要であり、資金計画を含む適切な事業計画の立案の必要性が出てくる。
月極駐車場を経営してますが、固定資産税が上昇して採算が合いません。賃料を上げるのは難しく赤字のおそれがあるが、今後どうしたらよいか?
 
とりあえずとしては、駐車場の2層化、立体化、2階以上をゴルフ練習場にする等の収入改善策が考えられます。但し、駐車場に固執する必要もなく、賃貸マンション等を建てて、賃料収入が確実に入れば、安定収益確保となり、また、相続税対策としても有効です。
なぜなら、建築賃金を外部調達すれば、借入金はマイナス財産で相続税対策となり、土地の評価も借家建付け地となり、相続税評価額はダウンするからです。
 
競売不動産には掘り出し物があると聞きます。素人が手を出すと失敗するとも聞きますが、注意する点は何でしょうか?
 
競売不動産に賃借権が存在する場合、物件の買受人は、当然に賃借り人に引き続き物件を貸さなければならない。短期賃借権にも注意が必要で、土地については5年以下、建物については3年以下の期間を定めた賃借権で、その期間内の物件の明け渡しを求めることはできない。また、道路に接面する長さが2m以下の土地、隣地との境界線が不明確な物件や、管理費の滞納のあるマンション、高圧線による上空利用を規制されている物件等、注意を要する物件は多い。物件が占有されている場合は、占有者の法的な根拠によっては、占有解消の為に、長期間を要したり、相当の費用を要するので、慎重な対応が要求される。
 
昭和30年頃、知り合いに土地を貸しました。知人はそこに木造の住宅を建てましたが、このたび、建物が古くなったので立て替えたいとの申し入れがありました。私としては、この際、土地を返してもらいたいのですが、どうしたらいいですか?
 
木造の住宅の場合、契約の定めがあれば、20年、定めがない場合は30年が、借地期間となります。期間の満了に伴い、契約を更新しない旨の申し込みはできますが、正当な事由がないと、この更新拒絶は認められません。ただ、土地を返してもらいたい程度の理由では更新の拒絶はできません。とりあえずは、更新料を受け取るのが、最善策と思われます。そして、次の段階として、借地人が第3者に借地権付き建物を譲渡するような事態になった時に、裁判所が定める一定期間内に賃貸し人自らが建物の譲渡、賃借権の譲渡を申し入れることが認められていますので、これを実行するのも解決の為の一例となるのではないでしょうか。
   
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